献血と貧血と鉄
献血当日と翌日の採血結果を比較してみる。
当日 翌日
赤血球(RBC) 497 480
ヘモグロビン(Hb) 15.6 14.4
ヘマトクリット(Ht) 45.8 44.0
平均赤血球容積(MCV) 92.2 91.7
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH) 31.4 30.0
400mL献血なので失われたHbは15.6×4 = 62.4g
ΔHb = 失われたHb / 循環血漿量の式から循環血漿量を計算すると、
1.2 = 62.4 / x
x = 52dL = 5.2L
しかし、循環血漿量を体重÷13とすると、58.5÷13 = 4.5L
→ΔHb = 1.39 なので、実際はHb 14.2くらいまで下がる可能性あり。
12/5に記載した通り、鉄、フェリチンも献血すると低下するため、現在鉄のサプリメントを飲んでいる。
長距離陸上選手が鉄剤静注して問題となっていたが、内服は良いのか?
経口摂取した際の鉄吸収率は、肉、レバー、赤身魚などに含まれるヘム鉄で10-30%、海藻、野菜類に含まれる非ヘム鉄で1-8%。平均すると8-10%程度になるが、鉄欠乏状態によっては吸収率は1-50%まで変動する。このため体内に鉄が充足されている場合には経口摂取してもほとんど吸収されず、鉄過剰状態にはなりにくい。静注の場合には直接血管内に入るため過剰状態による臓器障害(肝、心、膵など)を起こしやすくなる。
ちなみに経口の鉄はビタミンCとともに摂取すると還元型になり吸収率は上昇し、緑茶、コーヒー、カルシウムと摂取すると吸収率は低下する。ただ鉄欠乏性貧血の場合には吸収率が亢進するため、緑茶などと摂取しても影響は少ないと考えられている。
貧血に至らない鉄欠乏状態の場合には、そこまで鉄吸収率が亢進しないと思われ、鉄剤内服の1時間くらいは緑茶、コーヒー、牛乳は控えたほうが良さそうです。